第二章 壁紙及び副資材類


2・1 壁紙
  1. 壁紙はJIS A6921(壁紙)もしくは、これと同等品とする。
  2. 壁紙は室内環境に対する安全性が確認されたものとし、確認の方法は、材料構成上支障ないと一般 に認識されているものの他は、メーカー等が行った当該問題に関する試験結果 書による。
  3. 防火材料の壁紙は、建設大臣の認定を受けたものであること、認定の条件、定められた施工方法・防火性能等を確認する。防火仕上げに関する基準・規定等が設けられているものにあっては、これに基づいて施工する。

 

2・2 壁紙の種類と施工性

壁紙の種類は下表に掲げるが、種類によって下地調整の手間や施工の 難易度、要求される技術の違い、施工に要する時間等について差がある。 各種壁紙につきそれらを総合的に考慮して評価分類すればおおむね次表のとおりである。なお、具体的な材料によってはこの評価と異なる場合もある。

壁紙の種類 下地調整の手間 壁紙張りの難易度 総合評価
ビニル壁紙(無地調) 通常の調整 施工容易 1号
ビニル壁紙(柄物) 通常の調整 施工容易だが柄合わせを要する 1.2号
織物壁紙(無地調) 通常の調整 施工容易だが扱いに丁寧さ要す 1.5号
無機質吹き付け壁紙 丁寧な調整 材料扱いに丁寧さを要す 2号
水酸化アルミニューム紙(無地調ごく薄い製品) ごく丁寧な調整 材料扱いに丁寧さを要す 3号
織物壁紙(中級品) 通常の調整 若干の技術と手間を要す 2号
紙壁紙、 プラスチック新素材壁紙 丁寧な調整 事前調査を要す、 若干の技術手間要す 2号
輸入壁紙(紙・ビニル等)幅52cm等の単位巻き 丁寧な調整 柄合わせ、張り手間で時間を要す 4号
金属箔調壁紙 ごく丁寧な調整 施工容易だが丁寧さを要す 3号
シャンタン、朱子地、薄手の紙・織物及び金属箔等の壁紙 ごく丁寧な調整 技術と丁寧さ、手間を要す 5号
織物壁紙(高級品) 丁寧な調整 技術と丁寧さ、手間を要す 4号
織物壁紙(超高級品) 丁寧な調整 高い技術と十分な手間を要す 5号

 

2・3 パテ

パテは壁紙張り下地用の専用品とし種類は次表による。なお、成分中の有機質は10%以下のものを用いる。

 

2・4 シーラー

シーラーは壁紙張り下地用の専用品とし種類は次表による。

タイプ 主成分
水溶性型 ポリビニルアルコール
エマルジョン型 酢ビ系共重合樹脂
アクリル系共重合樹脂
溶剤型  酢ビ系共重合樹脂

 

2・5 接着剤
  1. 接着剤はJIS A6922(壁紙施工用でん粉系接着剤)もしくは、これと同等品を用いる。
  2. 接着剤は室内環境に対する安全性が確認されたものとし、確認の方法はメーカー等が行った当該問題に関する試験結果書による。
  3. でん粉系接着剤及び補強用に添加する接着剤の種類は次表による。
    タイプ 主成分
    ペースト状 でん粉系接着剤
    粉末状 でん粉系接着剤
    エマルション型 酢ビ樹脂系接着剤
    エチレン酢ビ系接着剤
    アクリル樹脂系接着剤

 

2・6 コーキング剤その他
  1. コーキング剤は壁紙張り下地用のものを用いる。
  2. マスキングテープは、作業性を考慮して選択するが、テープの粘着剤が残留するなどの支障を起こさないよう、製品の性質、使用方法等についても調べた上で使用する。